特集 睡眠時無呼吸症候群:基礎から臨床
全身疾患としての睡眠障害:機序と臨床
2.心房細動と高血圧
THE LUNG perspectives Vol.28 No.1, 35-38, 2020
睡眠時無呼吸症候群は,高血圧,心不全,心房細動,冠動脈疾患,大動脈解離など様々な循環器疾患を合併することが知られている.その中でも高血圧は,患者数が1,000万人と推計され,また心房細動も加齢に伴い増加することが知られ,高齢化社会を迎えた我が国では100万人を超え,今後も有病率が増加することが予想されている.高血圧・心房細動はcommon diseaseとして広く認知され,睡眠時無呼吸症候群により先に,これらの併存疾患が診断されることを多く経験する.適切な睡眠時無呼吸症候群の治療なしには併存疾患に対する治療が困難である場合があり,併存疾患の管理のための睡眠時無呼吸症候群に対する診断・治療の重要性が再認識されている.また,近年の基礎研究により,睡眠時無呼吸症候群によって高血圧・心房細動が生じる機序が明らかになりつつあり,今後の臨床応用が期待されている.
「KEY WORDS」心房細動,高血圧,併存疾患の管理
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