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特集 睡眠時無呼吸症候群:基礎から臨床

全身疾患としての睡眠障害:機序と臨床

1.閉塞性睡眠時無呼吸と認知機能低下

栁下聡介

THE LUNG perspectives Vol.28 No.1, 31-34, 2020

アルツハイマー病(AD)は,認知症を呈する疾患の1つである.社会的な関心も高く,AD発症の可能性を高めるリスクファクターの研究が盛んに行われている.これまでは主に,糖尿病や肥満がその研究対象となってきた.そのような状況の中,近年,AD発症のリスクファクターの1つとして,閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が注目されている.以前からOSAとADとの間に相関があること自体は報告されていたが,最近,「OSAがADを起こし得るのか」という問いに挑んだ臨床研究の結果が相次いで発表されている.ここでは,OSAとADとの関係について,ヒトを対象とした研究から得られた知見を紹介する.一方,OSAとADとの関係を調べる基礎研究はまだ少ない.私は,間歇的低酸素負荷をOSAのモデルとして用い,OSAとADとの関連性を明らかにすべく研究を行っている.ここでは,自身の研究成果の一部を基礎研究の事例として紹介する.
「KEY WORDS」アルツハイマー病,閉塞性睡眠時無呼吸,間歇的低酸素負荷,タウ,神経活動

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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