CPC日常臨床から学ぶ
若年男性に発症し急速に進行した胸部原発類上皮肉腫の一剖検例
THE LUNG perspectives Vol.28 No.1, 6-10, 2020
類上皮肉腫は成人軟部腫瘍の1%未満に見られ,若年男性に多い.1970年に最初の報告がされ1),1997年にGuillouらにより骨盤部,会陰部,臀部など体の近位部に発生する近位型の報告がなされた2).免疫組織学的特徴としては間葉系と上皮系の双方のマーカーが陽性となり,切除が可能な症例でも高率に再発を認める3).遠隔転移は約半数で見られ,肺(51%),リンパ節(34%),頭皮(32%)などが多い.近位型は,四肢遠位部に発生する遠位型に比べて予後不良であり,5年生存率50~85%,10年生存率42~61%と報告されている3).
本稿では20歳男性で胸部原発類上皮肉腫の経過とCPCの結果を示しながら,文献的考察に関しても言及していく.
「KEY WORDS」類上皮肉腫,近位型,胸膜原発,ドキソルビシン,パゾパニブ
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