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特集 肺移植─呼吸器医が知っておきたい我が国の現状─

間質性肺炎,特にIPFに対する肺移植(症例を含めて)

千田雅之

THE LUNG perspectives Vol.27 No.4, 39-42, 2019

特発性間質性肺炎(IIPs)は原因を特定し得ない種々の間質性肺炎の総称であり,最も予後不良な集団である特発性肺線維症(IPF)が半数以上を占める.日本呼吸器学会では,IPF,線維性非特異性間質性肺炎の肺移植適応をそれぞれ公表しているが,現実には個々の症例に応じて,中央肺移植適応委員会がその適応を判断している.日本臓器移植ネットワークに肺移植登録されたIIPs症例の待機中3年生存率は26.0%であり,症例全体の待機中生存率56.3%と比較し著しく低い.しかし,肺移植後の生存率に差はないことから,近年IIPs症例をより早期に登録する考えが広まっている.一方,IPFでは片肺移植が多く行われているため,移植後に残存するnative lungに真菌感染や肺癌の発生が認められることがあり注意が必要である.
「KEY WORDS」特発性間質性肺炎,特発性肺線維症,肺移植,native lung complication

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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