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特集 コンピュータサイエンスの応用

基礎医学とのダイアローグ

2.病理学とゲノム科学,AIの統合

河村大輔石川俊平

THE LUNG perspectives Vol.27 No.3, 55-58, 2019

近年,AI技術,特に畳み込みニューラルネットワークなどの深層学習技術の進歩により,画像認識の精度が飛躍的に上昇した.病理組織画像も例外ではなく,腫瘍の正確な分類・検出や組織画像の定量化な評価が可能になりつつある.さらに最近では,単なる病理組織診断の補助にとどまらず,がんの体細胞変異と組織形態との関係を調べたり,定量化した組織形態とゲノム情報を統合的に解析することで予後をより正確に推定したりといった試みも行われている.本稿では,病理組織画像とゲノム情報を統合的に解析する様々な試みを紹介する.また,我々が構築している類似病理組織画像検索システムLuigiと,Luigiを用いて組織形態とゲノム異常の関連を探索する応用についても紹介する.
「KEY WORDS」深層学習,ディープテクスチャ,類似症例検索,病理組織画像,ゲノム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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