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第一線で働く医師たちからのオピニオン

「経験をすべて糧に―患者さんをトータルに診る理想の地域医療を実現―」

徳永尚登

THE LUNG perspectives Vol.27 No.2, 80-83, 2019

出身は,当院の所在する福岡市南区横手です.福岡県立福岡高校を卒業後,久留米大学医学部第一内科での勤務を経て,平成6年6月6日に開業しました.
小さい頃は病弱で,頻繁に医師のお世話になっていました.3歳で溶連菌感染症に罹患し急性糸球体腎炎を合併,福岡赤十字病院に入院した経験があるほどです.そのため,周りの子どもたちに比べ,私にとって医師はとても身近な存在でした.
父親は公務員でしたが,親戚に医師が多かったこともあり,しだいに将来像として医師を思い描くようになりました.ただ,物理や数学よりも文系科目の方が得意で,今でも考えごとをする時に「自分は文系だな」と思うところがあります.それで,中学の頃には「医学か司法の道に進みたい」と考えるようになっていました.
最終的に医師になることを決めたのには,高校時代の経験が大きく影響しています.高校2年の7月,期末テストの最中に突然,右下腹部が痛みだしたのです.診断は虫垂炎で,本来ならすぐに手術をすべきでしたが,「テストを終えるまで」と我慢を重ね,かかりつけ医に往診をしてもらっていました.すると,虫垂が破裂して汎発性腹膜炎を起こし,病院で緊急手術となったのです.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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