<< 一覧に戻る

特集 呼吸器領域の治療における展望と問題点

基礎医学とのダイアローグ

1.疫学とモデル動物解析の融合による閉塞性肺疾患の病態を左右する新規モジュラトリー因子の同定

首藤剛

THE LUNG perspectives Vol.26 No.4, 66-70, 2018

閉塞性肺疾患は,全世界で致死率の高い難治性の呼吸器疾患の総称である.筆者らは,気道特異的上皮型Na⁺チャネル(ENaC)過剰発現マウス(C57BL/6-βENaC-Tgマウス)を用い,本マウスが,粘液貯留・肺気腫・呼吸機能障害を安定的に呈する閉塞性肺疾患モデルマウスであることを示した.また,本マウスを用いた遺伝・薬理学的解析から,本マウスの病態形成において,臨床でも問題となるプロテアーゼ・酸化ストレス経路が重要であることを明らかにした.さらに,ENaCを過剰発現し,閉塞性肺疾患病態を模擬する気管支上皮細胞(β/γ ENaC-16HBE14o-細胞)の網羅的発現解析・トランスクリプトーム解析から,閉塞性肺疾患時の気道上皮の亜鉛の輸送異常メカニズムと病態の関連を明らかにした.現在は,マウスや気道上皮細胞を用いた研究と,ヒト疫学解析を融合し,閉塞性肺疾患の病態や発症を左右するユニークなパルモモジュラトリー(Pulmo-modulatory)因子の同定を目指し,研究を展開している.
「KEY WORDS」モデルマウス,ヒト疫学解析,上皮型Na⁺チャネル(ENaC),CFTR,パルモモジュラトリー(Pulmo-modulatory)因子

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る