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第一線で働く医師たちからのオピニオン

独自の視点で深く考え抜いて,周囲から信頼される医師に

古藤洋

THE LUNG perspectives Vol.26 No.3, 96-99, 2018

出身は九州最北端の玄界灘にある対馬です.なかでも私の生まれ育った上対馬は海峡を挟んで朝鮮半島に近く,晴れ渡った日には山の上から釜山がみえることもあります.小さい頃,私は体が弱く,幼稚園帰りに病院に寄って診察や投薬を受けることもしばしばでした.病院には幼児期から馴染んでいたわけですし,町立病院に勤務する医師の姿を最も身近に感じる専門職と捉えていたのかもしれません.幼児期の私は「将来はお医者さんになろうかな」といっていた時期もあるようです.
中学卒業後は実家を離れて長崎市の高校に進学し,下宿生活を送りながら大学受験を目指すことになります.
本来私は数学や物理が好きで,小学校入学以降は一貫して理学部に進学しようと考えていました.ところが高校三年生の夏休みに帰省し,ふと「医学部もいいかもしれない」と口走ったところ父が予想外に喜んだのです.普段から私の意思を尊重して進路には一切口を挟まなかった父の希望を初めて知り,田舎に生まれた私に教育を受ける機会を十分に与えてくれたことへの感謝もあって医学部に進みました.
その後,研修医2年目の終了を控えて理学部再受験を考えたことがあります.当時は子どもが生まれた直後だったこともあり実行には至りませんでした.そのことを後悔はしていませんが,「あの時にもしも再受験していたら……」と振り返ることはありますね.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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