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特集 急性期の呼吸器管理を検証する

ARDS患者をいかに救うか

小谷透

THE LUNG perspectives Vol.26 No.3, 36-42, 2018

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対する特異的治療薬はなく,肺保護換気戦略のみが生存率を改善させた.肺保護換気戦略として1回換気量とプラトー圧を制限する低容量換気の有効性が示されているが,調査研究では低容量換気が実施されていない現状が明らかにされている.また,重症例においては補助療法が必要であり,腹臥位療法の有効性が報告されたが,その実施率は10~30%に過ぎない.ARDS患者を救うには,①肺保護換気の励行,②重症度に応じた介入の励行,③速やかな人工呼吸器離脱による合併イベントの回避,④施設ごとの治療成績の収集と解析,が必要と考える.
「KEY WORDS」肺保護戦略,人工呼吸器関連肺損傷,肺胞内外圧較差,alveolar recruitment

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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