特集 アンチテーゼとしての難治性呼吸器疾患の個別化医療
進行肺癌の薬物治療
―治療シークエンスのアンチテーゼ―
THE LUNG perspectives Vol.26 No.2, 48-51, 2018
近年,がんは網羅的な遺伝子解析が進み,がんの発生,進展,転移にかかわるメカニズムが解明されつつある。また様々な新薬が研究開発され,治験,臨床試験を経て有効性や安全性が確認され,市場に登場している。これらの治療効果の高い新薬の登場により生存の延長を飛躍的に認めている。遺伝子変異やバイオマーカー検索による治療選択は,多くの薬剤のなかから有効な薬剤をどのような順序で使い切るかが鍵となり,治療のシークエンスを考えるうえで非常に重要となる。ガイドラインの樹形図に基づく治療シークエンスはますます複雑化し,治療シークエンスに対する免疫チェックポイント阻害薬の使用,分子標的治療薬の再生検,高騰する医療費の観点からアンチテーゼを提唱する。
「KEY WORDS」肺癌,分子標的治療薬,免疫チェックポイント阻害薬,医療費
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。