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特集 アンチテーゼとしての難治性呼吸器疾患の個別化医療

COPDに対するPrecision Medicineの展望

藤野直也杉浦久敏

THE LUNG perspectives Vol.26 No.2, 30-33, 2018

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態はこの20年間,細胞・分子レベルで解明されてきた。しかし,COPDは症状と呼吸機能により診断されることから,閉塞性換気障害を示す広範な病態が含まれる。近年,大規模臨床試験で得られたエビデンスを基盤として標準治療を目指したガイドラインが作成されてきた。臨床試験はその目的を達成するため適格基準,除外基準が厳密に適応されるが,実地臨床ではエビデンスの乏しい複合的な病態を示す症例を経験することも多い。最近,このような複合的な病態を多層的に理解するために,エンドタイプという概念が示され,分子病態に基づくバイオマーカーの創出が試みられてきた。本稿では,このような分子病態に基づく疾患の多層的理解について最近の知見を紹介する。
「KEY WORDS」エンドタイプ,バイオマーカー,treatable traits,レドックス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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