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特集 呼吸器感染症Up-to-date

呼吸器真菌感染症Up-to-date;酵母様真菌

山入和志掛屋弘

THE LUNG perspectives Vol.26 No.1, 57-61, 2018

近年,がん治療,自己免疫疾患に対する生物学的製剤の導入,移植領域といった医療が進歩する一方で,免疫不全を伴う患者は増加している。呼吸器真菌感染症は免疫不全宿主での発症が多く,また予後不良である病態も多く存在する。
そのなかで,ヒトに病原性を有する酵母様真菌はCryptococcus属やCandida属,Trichosporon属などが挙げられる。Cryptococcus属は,免疫不全者,健常者ともに経気道感染をきたし,肺クリプトコックス症や播種性病変をきたす。Candida属,Trichosporon属は経気道感染をきたす可能性はきわめて低いが,血行性に播種してカンジダ肺炎や肺トリコスポロン症などの肺病変を呈する。
それぞれの菌種の特徴を把握して診断と治療を行うことが重要である。
「KEY WORDS」肺クリプトコックス症,カンジダ肺炎,肺トリコスポロン症,肺炎

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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