近年,感染症だけでなく様々な疾患に適用できるコンポーネントワクチンの需要が高まってきている。しかし,コンポーネントワクチンは従来の弱毒生ワクチンや不活化ワクチンに比べて免疫原性が低い。このような課題を克服するためには,自然免疫を活性化するアジュバントの添加や抗原を目的の細胞・組織に伝達するようなデリバリーシステムを構築する必要がある。本稿では,アジュバントの概説と現在注目されているナノ粒子を用いたワクチンの研究を紹介したい。
「KEY WORDS」ドラックデリバリーシステム(DDS),抗原提示細胞(APC),免疫賦活分子,自然免疫受容体(PRR)
「KEY WORDS」ドラックデリバリーシステム(DDS),抗原提示細胞(APC),免疫賦活分子,自然免疫受容体(PRR)