慢性閉塞性肺疾患(COPD)において肺胞マクロファージは病態の中心を担っており,好中球やCD8Tリンパ球とともに炎症を調整している。また,肺胞マクロファージの主要な役割である貪食能がCOPDでは低下しており,貪食能の低下は炎症を遷延させ,さらには細菌のコロナイゼーションによる増悪の増加につながっている。さらに肺胞マクロファージは自分自身のアポトーシスは抑制し炎症を遷延させている。今後は,肺胞マクロファージに直接作用する薬剤の開発が重要である。その一例としてビスホスホネート製剤の可能性についても概説する。
「KEY WORDS」肺胞マクロファージ,ビスホスホネート製剤,肺気腫,アポトーシス