特集 免疫学の新展開と呼吸器疾患
自然免疫機構と呼吸器疾患
THE LUNG perspectives Vol.25 No.4, 23-26, 2017
肺は外界と接する臓器であり,多くの環境要因の影響を受ける。自然免疫は初期の生体防御機構を担い,獲得免疫系の活性化にも深く関わり,それらの機能の異常は炎症や感染症に重要な役割を果たしている。自然免疫系は上皮細胞,好中球,好酸球,好塩基球,マクロファージ,単球,マスト細胞,NKT細胞,NK細胞,自然リンパ球,など多様な細胞により担われているが,実験モデルやヒトでの研究により,特に気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患は環境因子への自然免疫応答がそれらの発症に深く関わることが明らかとなってきた。気道上皮細胞および自然免疫担当細胞は慢性肺疾患の鍵を握る細胞であり,治療のターゲットとしても注目されている。
「KEY WORDS」自然免疫,ゲノムワイド関連解析,気道上皮細胞,ライノウイルス,好中球細胞外トラップ
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