「Summary」吸入物質が原因で肺に線維化を起こす過程には,その物質の肺局所への到達と残留,生化学反応,免疫反応,線維化反応とともに,その個体における環境的因子,遺伝的因子が関わっている。法的に産業・環境衛生の整備がされ,いわゆる大気汚染による肺毒性物質の曝露は減少している。しかし,近年微量な吸入物質が肺の線維化に与える影響が問題視され,疫学・基礎研究が行われている。それらの中には,大気汚染と間質性肺炎の関連があるという疫学的報告や,典型的な塵肺というよりは特発性肺線維症(IPF)を疑う画像で,無機物の吸入が疑われる症例の報告がある。吸入物質が関連する間質性肺炎では,病理学検討や元素分析,環境測定が重要であり治療の指標となる可能性がある。
「Key words」大気汚染,間質性肺炎,無機物,肺線維化