<< 一覧に戻る

特集 大気汚染と呼吸器疾患

大気汚染―心血管疾患のリスク―

Air pollution and cardiovascular risk

西脇祐司

THE LUNG perspectives Vol.23 No.4, 42-45, 2015

「Summary」粒子状物質(PM)の長期曝露影響としての心血管疾患リスクについて,PM2.5を中心にまとめてみた。欧米では,ハーバード6都市研究を嚆矢とする多くの研究で,PM曝露による心血管死亡の増加が観察されている。心血管疾患の罹患については,死亡をアウトカムとする研究ほど多くなく,また結果もやや一貫性に欠ける。これに対してわが国では,PMによる心血管疾患死亡,罹患ともにその関連が明らかでない。内外の研究結果の乖離の原因として,欧米では心血管死亡の多くを心臓病死亡が占めるのに対しわが国では脳卒中死亡が多いという相違,循環器疾患リスクファクターの分布の相違,PM成分の相違なども推測されている。今後こうした因子をも考慮に入れたうえで,日本人でのエビデンスの集積が期待される。
「Key words」粒子状物質,心血管疾患,疫学研究,コホート研究

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る