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特集 慢性呼吸器疾患:ベッドサイドの運動負荷試験―実践と理論

基礎医学とのダイアローグ ESおよびiPS細胞由来心筋細胞における代謝の特性を利用した大量精製法

遠山周吾福田恵一

THE LUNG perspectives Vol.21 No.2, 59-62, 2013

「Summary」末期心不全に対する新たな治療法として再生医療が注目されている. ES細胞およびiPS細胞は細胞移植治療における魅力的な細胞源であるが, 臨床応用を実現させるためには大量の心筋細胞を得ること, および腫瘍形成の原因となる未分化幹細胞を除去することが必要不可欠となる. しかしこれまで, 遺伝子改変することなく心筋細胞のみを大量に精製する方法は報告されていない. 筆者らは, メタボローム解析およびトランスクリプトーム解析から心筋細胞とES細胞を含めた非心筋細胞との代謝の違いを明らかにすることにより, 心筋細胞のみが生存可能で未分化細胞や非心筋細胞が生存不可能な代謝環境を構築することに成功した. この方法により選別されたヒトES細胞に由来する心筋細胞の純度は最大で99%であり, 遺伝子改変を用いず蛍光セルソーターも不要であるため, ES細胞あるいはiPS細胞に由来する心筋細胞を大量に精製するのに適しており, 今後ヒトの心臓再生医療への応用が期待できる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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