CPC日常臨床から学ぶ
慢性間質性肺炎を基礎にした急性呼吸不全をきたした1例
THE LUNG perspectives Vol.21 No.2, 2-5, 2013
「はじめに」特発性間質性肺炎のなかで高齢・男性の喫煙者に多い特発性肺線維症は, ときに急性呼吸不全を呈することがある1)2). 今回, 慢性間質性肺炎の患者で細菌性肺炎の治療後に急性呼吸不全をきたした1例を経験したので報告する. 「1. 症例」症例: 79歳, 男性 主訴: 発熱, 鼻出血 既往歴: 高血圧, 74歳時に前立腺癌で手術. 78歳時に急性心筋梗塞でステント留置. 家族歴: 特記すべきものなし 生活歴: 40pack-yearの既喫煙者 ADL: 1日の半分以上はベッド上で生活 職業歴: 元配管工でアスベスト曝露あり 現病歴: 75歳の頃より慢性間質性肺炎の指摘あり. 1年前に心筋梗塞に罹患してからADLは徐々に低下していた. 今回の入院1週間前から尿路感染症で抗菌薬の投与を受け, いったん退院したが, 翌日の夕方に突然鼻出血を認め, その後38℃台の発熱も加わり, 呼吸困難が出現してきたために当院救急科を受診した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。