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MEDICAL TOPICS

第42回 福山型筋ジストロフィーのスプライシング異常に対するアンチセンス治療

Abnormal splicing and antisense therapy for Fukuyama muscular dystrophy

谷口(池田)真理子小林千浩戸田達史

THE LUNG perspectives Vol.20 No.2, 82-87, 2012

「Summary」FCMDは日本に多い神経・筋疾患であり, ほとんどのFCMD患者は, 原因遺伝子フクチンの3'非翻訳領域にSVA型レトロトランスポゾンの挿入を認めるが, 疾患の発症機序は不明であった. われわれは今回, FCMDがスプライシング異常症であることを見出し, この異常スプライシングを制御するアンチセンス核酸を用いて患者細胞およびモデルマウスでの治療に成功した. この治療法はすべてのFCMD患者に適応となる初の根治療法となる可能性があり, 今後臨床応用を目指したい.
「歴史的背景」福山型先天性筋ジストロフィー(Fukuyama-type congenital muscular dystrophy;FCMD)は日本特有の疾患である. 筋, 脳, 眼に特異的な症状をきたす常染色体劣性の遺伝性疾患であり, 乳幼児早期から発症する重度の先天性筋ジストロフィー, Ⅱ型滑脳症や多小脳回などの脳奇形, 精神運動発達遅延やてんかんの合併, および網膜剥離や近視などの眼奇形がみられる.
「Key words」筋ジストロフィー, スプライシング異常, レトロトランスポゾン, アンチセンス療法, エクソントラッピング

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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