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特集 総合的に考える高齢者の呼吸器疾患

高齢者の在宅酸素療法

Home oxygen therapy in elderly

桂秀樹

THE LUNG perspectives Vol.20 No.2, 66-73, 2012

「Summary」在宅酸素療法(HOT)はわが国において急速に普及した在宅医療の1つである. わが国のHOT施行例の年齢分布をみると, 86%が60歳以上の高齢者であり, HOTは高齢者を対象とした在宅医療と考えられる. 慢性呼吸不全に対するHOTのエビデンスのなかで最も確立しているのはCOPDの生存率の延長であるが, 高齢者のCOPDにHOTを施行しても必ずしも生存率の延長がみられるわけではないことが指摘されている. この点から, 高齢者のHOTでは生存率の延長を目的にするのではなく, QOLの改善など総合的な機能改善を目的として実施すべきである. しかしながら, QOLの改善という点においては十分な効果が上がっているとはいいがたい. 今後, 高齢者に対するHOTをより有効な在宅医療にするためには, 単に酸素を吸入するだけではなく, 呼吸リハビリテーションによるHOT患者に対する継続的な介入を実施することが重要であり, そのための地域呼吸ケアネットワークの構築が不可欠である.
「Key words」HOT, 高齢者, 生存率, 呼吸リハビリテーション, 地域呼吸ケアネットワーク

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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