特集 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂―関連する診療ガイドラインにおける高尿酸血症の位置づけ―
10.造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版における高尿酸血症の位置づけ
高尿酸血症と痛風 Vol.27 No.2, 69-72, 2019
腫瘍崩壊症候群(TLS)は,化学療法時に死滅腫瘍細胞からの逸脱物質により,高カリウム血症や高リン血症,高尿酸血症を呈し腎障害を生じる致死的病態である。TLSは疾患,白血球数,血清LDH(乳酸脱水素酵素)値,腎機能障害の有無によりリスク分類する。
急性骨髄性白血病では,TLS低,中間,高リスク群のいずれにも分類され得る。低リスクはWBC<25,000/μLで血清LDHが施設基準値の2倍未満,高リスクはWBC≧100,000/μLが該当し,その他を中間リスクとする。バーキットリンパ腫では,限局期かつLDHが施設基準値の2倍未満の際に中間リスクとされ,その他は高リスクとなる。いずれも腎機能障害時には,リスクは一段階上がる。
低リスクでは,モニタリングのもと通常量の補液を行う。その他大量補液に加え,中間リスクではキサンチンオキシダーゼ阻害薬,高リスクではラスブリカーゼが使用される。
「KEY WORDS」腫瘍崩壊症候群,急性骨髄性白血病,バーキットリンパ腫,キサンチンオキシダーゼ阻害薬,ラスブリカーゼ
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