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特集 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂―関連する診療ガイドラインにおける高尿酸血症の位置づけ―

7.糖尿病診療ガイドライン2016

浜口朋也

高尿酸血症と痛風 Vol.27 No.2, 54-59, 2019

高尿酸血症は糖尿病の発症リスクと想定されるほか,両者には共通の病態やリスク因子が指摘されている。「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では2型糖尿病の主要な病態であるインスリン抵抗性に関して詳述されているほか,治療アルゴリズムにおいても糖尿病の併存は治療方針決定の重要な因子とされている。
また「糖尿病診療ガイドライン2016」においても,高尿酸血症・痛風への直接的な記述は認められないが,同じ生活習慣病として予防・治療に共通する箇所が多く認められる。たとえば,肥満の是正や内臓脂肪の減量は食事療法の主な目的となり,運動療法によって肥満の解消やインスリン抵抗性の改善を目指すことなどが挙げられる。
また,脂質改善薬のフェノフィブラートは各種臨床試験で糖尿病網膜症の発症・進展抑制効果が示唆されていた。最近,尿酸塩が糖尿病網膜症のリスク因子となることが報告され,改めてその関連性が問われている。
「KEY WORDS」SGLT2阻害薬,インスリン抵抗性,果糖(フルクトース),レジスタンス運動,尿酸塩

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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