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特集 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂―関連する診療ガイドラインにおける高尿酸血症の位置づけ―

5.高血圧治療ガイドライン2019

土橋卓也

高尿酸血症と痛風 Vol.27 No.2, 43-48, 2019

高血圧は高尿酸血症と合併しやすく,高尿酸血症自体が高血圧発症のリスク要因となる。高血圧患者において高尿酸血症が心血管イベントのリスク要因となるかどうかについては,明確なエビデンスが得られていないが,尿酸低下療法により腎機能低下の抑制も期待できることから,血清尿酸値8mg/dL以上の場合,尿酸降下薬の使用を考慮してよいと考えられる。高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)が提唱する高血圧患者に対する生活習慣の修正項目は,高尿酸血症合併者にも有効であり,特に肥満の是正と飲酒制限は重要である。JSH2019では,従来に比し厳格な降圧目標を提唱しており,その達成には降圧薬の併用療法が不可欠となるが,高尿酸血症合併者では,カルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬など尿酸値に影響を与えない薬剤を中心として使用し,利尿薬を使用する際は,尿酸値の上昇に注意する必要がある。
「KEY WORDS」高血圧,心血管イベント,生活指導,降圧薬,ガイドライン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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