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特集 結晶沈着性関節炎再訪

5.最近の話題 1)あたらしい結晶沈着症:CD73欠損症

市川奈緒美

高尿酸血症と痛風 Vol.27 No.1, 51-56, 2019

ecto-5’-ヌクレオチダーゼ(CD73)欠損症は,上下肢の動脈と手足の関節周囲に石灰化をきたす疾患である。臨床症状として間欠性跛行や間欠性関節炎を呈し,結晶誘発性関節炎の1つと考えられる。2011年St. Hilaireらは,家族性に手足の関節周囲と動脈壁に石灰化をきたした血族結婚を含む3家系においてホモ接合体マッピングを用い,原因遺伝子の候補領域が第6染色体長腕の特定の領域にあることを同定。原因遺伝子がecto-5’-ヌクレオチダーゼ遺伝子(NT5E)であることを同定し,また関節石灰化には強力な石灰化を抑制するピロリン酸塩と,ピロリン酸塩を分解する働きをもつ組織非特異的アルカリフォスファターゼ(TNAP)濃度が関連する。CD73が欠損すると,AMPからアデノシン産生が低下するためTNAPの抑制がかかりにくく,ピロリン酸の分解が亢進しピロリン酸が減少,そのため石灰化が進行すると推察されている。
「KEY WORDS」CD73,NT5E,動脈石灰化,関節石灰化,結晶誘発性関節炎

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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