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血清尿酸値に影響を与える薬剤

第9回 抗結核薬

角谷美樹山本徹也

高尿酸血症と痛風 Vol.26 No.2, 74-77, 2018

わが国では1950年代まで,結核は罹患率500人/10万人/年を超えていた。その後,さまざまな治療が行われ,現在ではリファンピシン,イソニアジド,ピラジナミド,エタンブトールの4剤で2ヵ月間,その後リファンピシン,イソニアジドの2剤で4ヵ月間行う治療が第一選択となっている。さらに啓蒙活動や,保健所を介した直接監視下短期化学療法(directly observed treatment, short-course;DOTS)活動などにより結核の罹患率は減少傾向にあるが,いまだ2015年には国内の新登録患者は約1万8千人,罹患率は14.4人/10万人/年と欧米先進国に比してきわめて高く,死亡者数は1,900人を超えている1)。近年では,若年時に潜在的に感染し,免疫力が低下してから発病する高齢者結核が多く,2015年の新登録患者のうち約65%が65歳以上で,そのほとんどが併存疾患を有しており,治療にあたっては注意を要する。また,抗結核薬にはさまざまな副作用があり,アドヒアランスの低下を引き起こし,結核治療の失敗,多剤耐性株の出現につながる可能性があり,これらの副作用について十分理解しておく必要がある。
そこで本稿では抗結核薬による副作用としての高尿酸血症を特に取り上げ,その治療および抗結核薬と尿酸降下薬との相互作用について述べてみたい。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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