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特集 痛風・核酸代謝における検査・診断法の進歩

ゲノムワイド関連解析

Genome wide association study

鎌谷洋一郎

高尿酸血症と痛風 Vol.23 No.1, 48-55, 2015

「Summary」尿酸値は複合的形質であり,その遺伝率は30~60%と推定されている。10万人レベルのゲノムワイド関連解析が行われ,その遺伝成分を構成する28個の疾患感受性遺伝的座位の同定に至った。ところがこれら28座位を合わせても,高尿酸血症のばらつきの7%程度しか説明できない。そこで遺伝率との差を「みつからない遺伝率」と名づけてその原因が探索されてきた。なかでも,新たにSNPアレイ上全SNP(30万~100万SNP)がばらつきをどれくらい説明できるかを推定する手法が開発され,尿酸値については27~41%が説明可能だとわかった。今後さらに人数を増やしたゲノムワイド関連解析を行うことで,この分野については解明が進むと捉えられる。また,遺伝率との差はまだ残るので,それを説明するSNP以外の遺伝的因子の研究が進むだろう。
「Key Words」高尿酸血症・痛風,ゲノムワイド関連解析,みつからない遺伝率

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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