<< 一覧に戻る

特集 女性下部尿路症状診療ガイドライン第2版を読み解く

手術療法─腹圧性尿失禁に対する外科治療

巴ひかる

排尿障害プラクティス Vol.28 No.2, 56-61, 2020

腹圧性尿失禁(stress urinary incontinence;SUI)に対する標準術式はtension-free vaginal tape(TVT)手術やtransobturator tape(TOT)手術などの中部尿道スリング(mid-urethral sling;MUS)手術で,短期の客観的・主観的成功率はともに80~90%で同等とされる。膀胱穿孔,術後排尿困難,出血量はTVT手術で多く,膣壁損傷,大腿部痛はTOT手術で多い。尿道括約筋不全におけるMUS手術の治療成績は,尿道過可動症例に比べて低い。SUI優位の混合性尿失禁におけるMUS手術のSUIに対する治療成績は,SUI単独に対する成績と同等で,尿意切迫感や切迫性尿失禁も過半数で消失・改善する。骨盤臓器脱とSUIを有する症例に対するMUS同時手術は,尿禁制は高まるが排尿困難を発生させる可能性があり,積極的には勧められない。
筋膜スリング手術も治療成績はMUS手術と同等とされ,尿道括約筋不全にも適応がある。
「KEY WORDS」腹圧性尿失禁,TVT手術,TOT手術,中部尿道スリング手術,筋膜スリング手術

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る