Cutting Edge
Anticholinergic Cognitive Burden(ACB)スケール
排尿障害プラクティス Vol.26 No.2, 71-74, 2018
日本では高齢社会が急速に進行しており,日本老年医学会および日本老年医学会からは現在の65歳以上の高齢者の定義を「75歳以上」に引き上げるべきとの提言も出されている1)。このようななかで高齢者に対する薬物療法のガイドラインなどが発刊され,高齢者の薬物療法へ注意が喚起されてきている。下部尿路機能障害において,特に過活動膀胱(overactive bladder;OAB)に対しては薬物療法が第一選択治療であり,そのなかでも抗コリン薬(抗ムスカリン薬)が多用されてきている。抗ムスカリン薬は抗コリン負荷を増長させ,認知機能などへの影響も大きい。この抗コリン負荷を評価する目的で作成されたスケールの1つが,Anticholinergic Cognitive Burden(ACB)スケールである。本稿ではACB スケールについて概説し,このACB スケールを用いて,最近我々が行った研究についても紹介する。
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