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特集 前立腺における炎症の新しい展開

【臨床編】炎症を有する前立腺肥大症患者に対する薬物療法,実臨床の結果からの考察

西野好則

排尿障害プラクティス Vol.26 No.2, 62-69, 2018

男性下部尿路疾患に「慢性的な前立腺の炎症」をともなう病態が非常に多く存在していることが判明しつつある。虚血,自己免疫反応,微生物の感染,メタボリックシンドロームによる炎症,ストレス,ホルモン環境の変化,下部尿路閉塞や前立腺腺管内逆流などがその要因としてあがる。臨床では,抗菌薬,植物性製剤,α₁遮断薬などが使用されてきたが,最近はPDE5 阻害薬(タダラフィル)がさまざまな研究を経て,実臨床での有用性が示されている。慢性前立腺炎に関しては,正しい診断と患者の背景から,どの治療薬がベストであるかを考えて処方すると同時に,メタボリックシンドローム,ストレス,虚血などの場合,生活指導もあわせて行うことが重要である。
「KEY WORDS」慢性前立腺炎,慢性骨盤底痛症候群,タダラフィル,自己免疫,虚血

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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