特集 前立腺における炎症の新しい展開
【臨床編】慢性前立腺炎と下部尿路症状との新知見
排尿障害プラクティス Vol.26 No.2, 56-61, 2018
慢性前立腺炎という診断名は臨床上しばしば用いられているものの,その実態は明確ではない。典型的な症状は,会陰部や下腹部,骨盤部に違和感,不快感,あるいは疼痛である。組織学的検討から,前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia;BPH)患者の前立腺組織内には少なからず炎症所見をともなっていると考えられている。組織学的な炎症所見と慢性前立腺炎様症状が相関することが知られている。内服治療で症状の緩和を試みるが,最近,BPHの第一選択となったタダラフィルは,前立腺の血流改善からこれらの症状緩和に役立つことが期待されている。
「KEY WORDS」慢性前立腺炎様症状,NIH-CPSI,タダラフィル
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