特集 前立腺における炎症の新しい展開
【基礎編】慢性前立腺炎病態モデルにおけるPDE5阻害薬の疼痛抑制作用
排尿障害プラクティス Vol.26 No.2, 39-49, 2018
慢性前立腺炎は,前立腺がん,前立腺肥大症と並んで三大前立腺疾患の1つであり,持続的な骨盤痛,排尿および性機能障害が認められることから,QOLが著しく低下する疾患であるが,病因・病態に関しては不明な点が多く残されている。慢性前立腺炎の病態機序の解明ならびに治療標的の探索を目指して,これまでにさまざまな動物モデルが報告され,筆者らもここ数年,ラット前立腺特異的自己抗原誘発前立腺炎(experimental autoimmune prostatitis;EAP)モデルを用いて,疼痛発症機構とPDE5 阻害薬の疼痛抑制作用について研究を行ってきた。そこで本稿では,これまで報告されてきた前立腺炎モデルの特徴について,前立腺炎症,疼痛,排尿の3つの観点から,筆者らの研究結果を含めて解説する。
「KEY WORDS」タダラフィル,PDE5 阻害,慢性前立腺炎,疼痛,炎症
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