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特集 前立腺における炎症の新しい展開

特集に寄せて

横山修

排尿障害プラクティス Vol.26 No.2, 15, 2018

メタボリックシンドロームあるいは肥満者に前立腺肥大症の発生頻度が高いという疫学報告は数多くあり,またその背景にある前立腺腫大の発生メカニズムに関する基礎研究も近年増加しています。その1つがインスリン抵抗性であり,またホルモンバランスの変化,動脈硬化にともなう臓器の虚血,さらに炎症も関与すると報告されています(Eur Urol. 2012;61:560)。このなかで虚血と炎症はそれぞれ独立した原因でもあり,また一方の結果でもあるため同一の動物モデルでみられることも多くなっています。臨床的には前立腺肥大症の肥大腺腫に炎症がみられることも多く,α遮断薬などの薬物治療に対する反応性が悪いことが報告され(Korean J Urol. 2010;51:266),またメタボリックシンドロームが合併するとα遮断薬の効果も低いとも報告されています(Int J Clin Pract. 2013;67:356)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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