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Cutting Edge

論文解説 「Administration of daily 5 mg tadalafil improves endothelial function in patients with benign prostate hyperplasia」

天野俊康

排尿障害プラクティス Vol.26 No.1, 70-73, 2018

勃起障害(erectile dysfunction;ED)の画期的な治療薬として,1999年にPDE(phosphodiesterase)5阻害薬であるシルデナフィルが上市され,その有効性,安全性などよりED診療は大きく変化した。さらに,2004年よりバルデナフィル,2007年よりタダラフィルが使用可能となり,現在わが国ではこの3種のPDE5阻害薬がED治療の第一選択薬として広く用いられている。
PDE5阻害薬の作用機序は,一酸化窒素(nitric oxide;NO)を介して血管内皮細胞の弛緩が起こり,勃起を改善させる。PDE5阻害薬は以前より,男性の下部尿路症状(lower urinary tract symptoms;LUTS)にも有用であるという報告もなされていたが1)-3),わが国において2014年4月より,タダラフィルの連日投与が前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia;BPH)にともなうLUTSに対して保険適応となり,使用が可能となった。PDE5阻害薬は元来,内皮細胞を弛緩させるという機能を有しており,タダラフィルを連続投与することにより,LUTSだけではなく性機能や血管系に対してもよい影響があるのではないかと考えられた。そこで,われわれが,BPHとして当科を受診しLUTSを有する患者に対してタダラフィルを投与し,LUTSに対する効果に加え,性機能,動脈硬化症からみた血管系への影響などの副次的作用につき,臨床的検討を行い報告したのが本論文である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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