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特集 歩行障害・認知症をともなうLUTSの診方

【歩行障害・認知症とLUTS】正常圧水頭症にともなう下部尿路機能障害

有賀誠司桑名信匡井川靖彦

排尿障害プラクティス Vol.26 No.1, 40-45, 2018

特発性正常圧水頭症(idiopathic normal pressure hydrocephalus;iNPH)は高齢者に多くみられ,歩行障害,認知症,尿失禁を三徴とする疾患で,脳室拡大は認めるものの,脳脊髄圧は正常で脳脊髄液シャント術により三徴症状の改善が認められることから,治療可能な認知症として注目されている。下部尿路症状(lower urinary tract symptoms;LUTS)は主に,尿失禁のみでなく,頻尿・切迫感など過活動膀胱(overactive bladder;OAB)の症状を呈する。三徴の術前後の臨床症状評価は歩行障害,認知症については客観的評価がなされてきたが,下部尿路機能障害(lower urinary tract dysfunction;LUTD)に関してはこれまで,LUTSを患者本人もしくは家族から聴取する,いわゆる主観的評価方法により行われてきた。われわれは,iNPH患者に対してシャント手術前後でウロダイナミックスタディ(urodynamic study;UDS)を行い,膀胱機能の手術による変化を客観的に評価した1)。本稿では,これらの結果と過去の報告をあわせ,NPH患者のLUTDの特徴につき解説する。
「KEY WORDS」特発性正常圧水頭症,尿失禁,過活動膀胱,脳脊髄液シャント術

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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