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特集 認知症と排尿障害

病態の解説とウロダイナミクス(2)レヴィ小体型認知症

舘野冬樹榊原隆次髙橋修杉山恵岸雅彦露崎洋平

排尿障害プラクティス Vol.22 No.3, 13-18, 2014

レヴィ小体型認知症(DLB)の膀胱自律神経障害についての報告は少なく,以前われわれは11名について検討した.最近われわれは32名について検討したところ,86.7%に排尿症状があり,最も多い症状は夜間頻尿(86.7%)であり,尿失禁が64.3%にみられた.全例にウロダイナミクスを施行した結果,膀胱容量は174.1mlと低下し(正常200~600ml),排尿筋過活動が85.7%にみられた.100ml以上の残尿は7%と少数のみにみられた.一方,括約筋の神経原性変化が検査を施行した18名中9名(50%)と高頻度に認められた.膀胱容量と臨床所見との関連を解析した結果,運動機能,起立性低血圧との相関はみられず,幻覚,全汎認知機能(MMSE),前頭葉機能(FAB),心筋MIBGシンチグラフィとの間に相関が認められた(p<0.05).すなわち,アルツハイマー病と異なり,DLBでは排尿障害が非常に高頻度かつ高度にみられた.このうち,特に排尿の高次中枢である前頭葉の機能低下は排尿障害のリスクになりうる.パーキンソン病ではまれな括約筋の神経原性変化がみられたことはDLBでOnuf核が障害されることを示唆するように思われる.さらに,MIBGシンチグラフィと相関がみられたことは,DLBの排尿筋過活動に一部交感神経末梢線維(β3受容体による膀胱弛緩)の障害も関与することを示唆するように思われる.これらの膀胱自律神経障害は,DLBの治療ターゲットとして重要なものであり,認知症を来す疾患の鑑別にも寄与するものと思われる.
「Key Words」レヴィ小体型認知症,自律神経障害,排尿障害,括約筋筋電図

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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