治療法紹介
(薬物療法 前立腺肥大症および慢性前立腺炎)前立腺肥大症に対する植物製剤,特にエビプロスタット
掲載誌
排尿障害プラクティス
Vol.21 No.1 73-77,
2013
著者名
筧善行
記事体裁
抄録
疾患領域
泌尿器
診療科目
一般内科
/
泌尿器科
/
老年科
媒体
排尿障害プラクティス
「はじめに」前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia; BPH)は組織学的診断名と臨床的診断名の両側面を有する. 興味深いことに, いわゆる下部尿路症状を呈するBPHでは前立腺内に炎症所見が高率に認められる. 近年の(われわれのものを含めた)研究成果はBPHの症状発現・増悪と前立腺内の炎症性変化が強い相関関係を有することを示唆している1-3). もし, 炎症がBPH患者の臨床的症状に関連するのであれば, 抗炎症薬が相応の効果を発揮するはずである. 典型的なQOL疾患で, 治療期間が長期にわたることが多いため, 副作用の少ない植物製剤の効果にも注目が集まるゆえんである. しかし, 植物製剤に関しては, BPHの症状発現・増悪に効果を有するとしてもその基礎的な裏付けに乏しかったのも事実である. 本稿では, 抗炎症の観点から植物製剤, 特にエビプロスタットに関するわれわれの基礎的データを中心に概説する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。