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特集 脊髄損傷と排泄障害

尿路感染症への対処法

関戸哲利

排尿障害プラクティス Vol.20 No.3, 46-52, 2012

脊髄損傷症例における尿路感染症の診断は必ずしも容易ではない. 一般的には, 尿培養での有意な細菌尿に加え, 膿尿と尿路感染症を示唆する症状を有し他に明らかな原因が認められない場合に症候性尿路感染症と診断する. このため, 症候性尿路感染症の診断に際しては, 肺炎や褥瘡感染などの感染症のほか, うつ熱, 静脈血栓塞栓症などの非感染性疾患を鑑別することが重要である. また, 初期評価として尿路閉塞の診断目的に腹部超音波検査を施行することがすすめられ, 膿腎症や尿閉を伴う症候性尿路感染症では尿路閉塞の解除と感染尿のドレナージをすみやかに行うべきである. 症候性尿路感染症は複雑性尿路感染症として治療するが, 無症候性尿路感染症は抗菌薬による治療の適応とはならない. 現時点では, 尿路感染症の予防策としてその有効性が明確でかつ推奨しうる方法はないのが実情である.
「はじめに」脊髄損傷症例における尿路感染症の診断あるいは治療方法に関しては明確な指針がないのが現状である.
「Key Words」膀胱炎, 腎盂腎炎, 前立腺炎, 精巣上体炎, カテーテル関連感染症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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