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特集 脊髄損傷と排泄障害

上部尿路障害の危険因子と上部尿路評価

浪間孝重

排尿障害プラクティス Vol.20 No.3, 21-26, 2012

脊髄損傷では, 下部尿路機能や形態の障害による蓄尿・排出時の「高圧環境」が上部尿路障害を引き起こす. 具体的には, 排尿筋過活動, 排尿筋括約筋協調不全, 膀胱コンプライアンス低下, 排尿筋漏出圧高値や膀胱変形の進行などが危険因子とされる. また, 脊髄損傷レベルや損傷程度も危険因子となる. 四肢麻痺は対麻痺に対して, 完全損傷は不全損傷に対して上部尿路障害が高率とされる. さらに, 尿路管理法の選択も上部尿路障害に影響を及ぼす. 尿道留置カテーテルや反射性排尿は, 清潔間欠導尿に比較して上部尿路障害の危険因子となる. 上部尿路の初期評価は下部尿路機能評価にあわせて施行する. その際に選択される上部尿路機能や腎機能検査法としては, 超音波検査・排泄性尿路造影・腎シンチグラム・CT検査・生化学検査などがある. その後の経過観察においては, 特に明らかな徴候がない場合でも, 1年に1回程度の超音波検査の施行が経済性・安全性と信頼性から現時点では最も妥当と考えられる.
「Key Words」脊髄損傷, 神経因性膀胱, 上部尿路障害, 腎機能障害, 上部尿路検査法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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