1990年代後半からの分子生物学の急速な進歩により,多くの不整脈が主に心筋イオンチャネルをコードする遺伝子上の変異により発症することが判明し,遺伝性不整脈と呼ばれている1)2)。特に先天性QT延長症候群(long QT syndrome:LQTS)では,遺伝子型と表現型の関連(genotypephenotypecorrelation)が詳細に検討され,遺伝子診断に基づいたリスク評価や治療,すなわち個別化医療や精密医療(Precision Medicine)が実践されている3)。本稿では,わが国からの多施設登録研究結果が報告された先天性LQTSとBrugada症候群について概説する。
「KEY WORDS」不整脈,イオンチャネル,遺伝子診断,心電図,突然死
「KEY WORDS」不整脈,イオンチャネル,遺伝子診断,心電図,突然死