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特集 ガイドラインに基づいた心不全診療のスタンダード

基礎 心不全の定義がなぜ必要か?

斎藤能彦

CARDIAC PRACTICE Vol.30 No.2, 21-26, 2019

2018年3月に「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」が日本循環器学会と日本心不全学会より合同で発表された(班長:筒井裕之)。そこにはガイドラインとしての定義と一般向けにわかりやすくまとめた2つの定義が記載されている1)
ガイドラインとしての心不全の定義は,「なんらかの心臓機能障害,すなわち,心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果,呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し,それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と記載されている。また,一般向け定義では,「心不全とは,心臓が悪いために,息切れやむくみが起こり,だんだん悪くなり,生命を縮める病気です」と説明されている。前者は,病態をより正確に定義したものであり,後者は,一般人に心不全とはどのような症状があり,その結果どうなるのか?という点に重きが置かれたものである。
一般向け心不全の定義は,2016年に日本循環器学会と日本心不全学会が共同で,「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」の最初に行ったミッションとして定義したものであった2)。本稿では,どのような目的で(意図をもって)作成されたのかを,当時,定義の作成にかかわった者の1人として解説したい。
「KEY WORDS」心不全の定義,脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画,心不全リスク

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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