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EBM Hot Flash

「J-DOIT3」

植木浩二郎

CARDIAC PRACTICE Vol.29 No.3, 84-86, 2018

糖尿病の血管合併症の発症進展や死亡の抑制には,血糖単独での介入では効果が十分ではなく,統合的多因子介入によって強く抑制されることがSteno-2研究で示されていた1)2)。しかしながら,Steno-2研究は全体で160名のきわめて小規模な研究であり,また大血管症の病態や頻度もわが国と異なるデンマークで実施された研究で,さらに従来療法群の血糖・血圧のコントロールや,強化療法群の血糖コントロールは現在のガイドラインに比して,きわめて不十分であった。そこで,わが国の現在のガイドラインに比してより厳格な多因子介入が血管合併症の抑制や死亡の減少に有効かどうかについて大規模に検証することが,重要であると考えられた。このような背景から,Japan Diabetes Optimal Integrated Treatment Study for 3 Major Risk Factors of Cardiovascular Diseases(J-DOIT3)は,その成果を施策に反映させることを目的とした厚生労働省の戦略研究の1つとしてJ-DOIT1,J-DOIT2とともに2005年に立案された3)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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