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特集 肺高血圧症と右心機能

トピック 慢性血栓塞栓性肺高血圧症による重症右心不全合併症例に対する経皮的肺動脈形成術の有用性

Usefullness of Percutaneous Transluminal Pulmonary Angioplasty for Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension with Severe Right Heart Failure

伊波巧

CARDIAC PRACTICE Vol.26 No.2, 51-55, 2015

「はじめに」慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)は,多発性に肺動脈が器質化した血栓によって閉塞することで肺高血圧症と低酸素血症を生じ,労作時呼吸困難症状を呈する疾患である。病理学的所見としては,器質化血栓塞栓だけでなく,肺動脈閉塞によって生じた肺高血圧の持続が,非閉塞血管領域に特発性肺動脈性肺高血圧(idiopathic pulmonary arterial hypertension:IPAH)に代表される肺動脈性肺高血圧症に認められるような細小肺動脈の中膜肥厚・新生内膜増殖や叢状病変といった二次性小血管病変を合併し,さらに肺動脈圧の上昇を来たし,悪循環となる病態理論が提唱されている1)。死亡例の多くは,持続する肺高血圧によって右心不全によって不慮の転帰を辿る。他の肺高血圧症と同様,肺高血圧症の重症度に応じて予後は低下し,平均肺動脈圧(mean pulmonary arterial pressure:PAP)30mmHgを越える症例に,抗凝固療法と在宅酸素療法のみの内科的治療を行った場合には5年生存率は50%以下であり,50mmHgを超える症例では2年生存率20%の予後不良の疾患である2)。
「KEY WORD」右心不全,PTPA,PEA

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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