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特集 肺高血圧症と右心機能

基礎 肺高血圧症に伴う右室リモデリング

Right ventricular remodeling in pulmonary hypertension

田原宣広杦山陽一戸次宗久中村知久本多亮博田原敦子新田良和井形幸代福本義弘

CARDIAC PRACTICE Vol.26 No.2, 19-25, 2015

「はじめに」肺高血圧症は,さまざまな要因により肺血管抵抗が増大,肺動脈圧の上昇が進行性に起こり,右心負荷の増大から右心不全をもたらす可能性がある予後不良な疾患である。肺高血圧症において,右心不全の発症・進展は生命予後に強い影響を及ぼしていることが報告されている1)2)。心臓は,負荷がかかるとそれに適応するために心臓自身が再構築(リモデリング)を開始する。心拍出量を維持するための自己防衛反応と考えられるが,結果的に心筋肥大,ひいては心筋収縮力の低下を招き,心不全を発症することになる。これまで,左室リモデリングについては,多くの研究がなされてきたが右室リモデリングについての研究の歴史や認識は浅い。本稿では,右室リモデリングを呈する代表的疾患である肺高血圧症にターゲットを絞り,右室リモデリングについて概説する。
「心臓リモデリング」心臓は外的負荷に対して自ら心臓構築を変化させることができ,これを「心臓リモデリング」と呼んでいる。心臓リモデリングは外的負荷に対する適応現象として生じるが,負の側面も有している。心筋細胞の肥大は単位心筋あたりの壁ストレスを減少させるが,線維化を誘発し,拡張障害が促進される。また,外的負荷が長期間に及ぶと心筋の収縮力が低下し,心臓は拍出量を保つために心腔は拡大していく。
「KEY WORD」肺高血圧症,右心不全,右室リモデリング

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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