EBM Hot Flash
FAME 2:安定冠動脈病変に対するFFRガイド下でのPCIと薬物療法
CARDIAC PRACTICE Vol.24 No.2, 65-67, 2013
「用語の使い方から生ずる誤解に注意」安定冠動脈疾患(安定CAD)に対する薬物療法(M)とPCI+薬物療法(P)を比較した研究で注意すべきことはCOURAGE 1)をはじめ, 今回のFAME 2などでもM群の英語表示がthe best available medical therapy alone or medical-therapy group(至適薬物療法単独または薬物療法群)となっているということである. 一方, P群に対してはPCI therapy group(PCI群)となっている. そのためこのような研究を薬物療法に対するPCI本来の予後改善効果の検討(薬物療法のみで長期予後を観察する群をコントロールとして, PCI+薬物療法群と比較する)と誤解し, 死亡や心筋梗塞で両群に差がなければPCI自体に生命予後や心筋梗塞に対する予防効果がないという誤った解釈をすることがある(COURAGEなどでは両群に差がなかった1)). しかし, 実際のM群には薬物療法単独で長期経過観察する症例に加えて, 薬物療法で効果がない重症例に対し, 後からPCIを追加することにより, 予後に最も重要な因子である虚血を解除している症例も含まれている(COURAGEではM群の33%1), JSAP 2)でも37%, FAME 2 3)では8.6%).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。