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特集 超高齢社会と循環器疾患―アンチエイジング

バスキュラー・アンチエイジング 酸化ストレス制御と血管のアンチエイジング

Role of oxidative stress in vascular aging and its prevention

山岸昌一

CARDIAC PRACTICE Vol.23 No.3, 59-63, 2012

「はじめに」動脈硬化症を基盤として発症する心筋梗塞や脳血管障害などの心血管病は, 日本人の死因の約30%を占め, その罹患人口は増加の一途を辿っている. 最近になり, 糖尿病, 脂質異常症, 高血圧などの生活習慣病では, 酸化ストレスの産生や生体内蛋白の糖化反応が亢進し, 血管障害が引き起こされることが明らかになってきた. さらに, レニン・アンジオテンシン系(RAS)の活性化が, 酸化ストレスや炎症反応を惹起させインスリン抵抗性を引き起こし, メタボリックシンドロームや糖尿病の発症にかかわることも報告されてきている1). RASの活性化や慢性の高血糖下では「血管老化」が進みやすく, 糖尿病患者では, 動脈硬化症の進展が非糖尿病患者に比べて約15年早く進展することが知られている. したがって, 酸化や糖化ストレスを制御することで血管の老化を抑え, 動脈硬化症の進展や心血管病の発症を予防できるかもしれない.
「KEY WORD」AGEs,RAGE,PEDF,酸化ストレス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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