特集 交感神経と循環器疾患Revisited
臨床 メタボリックシンドロームと交感神経
Sympathetic Nervous System in Metabolic Syndrome
CARDIAC PRACTICE Vol.23 No.2, 61-65, 2012
「はじめに」 高血圧, 脂質代謝異常, 糖代謝異常などの動脈硬化性心血管病のリスクファクターを集簇させる因子として肥満(腹部肥満)があり, 肥満自体もリスクファクターとして重要である. 高血圧, 脂質代謝異常, 糖代謝異常, 肥満は独立した心血管病危険因子であるが, 互いに高頻度で合併する. これらのうちの複数を有するものでは, より心血管病に罹患しやすく, それはそれぞれが互いに相乗的に作用して心血管病の発症・進展を促すからであると考えられている. したがって, 腹部肥満を基盤とした高血圧, 脂質代謝異常, 糖代謝異常の合併はメタボリックシンドロームと呼ばれ, 重要な心血管病リスクとして注目されている1). わが国においては生活環境の欧米化が進み, 動物性脂肪の摂取量が増え, 過食や運動不足に陥ることによって, すべての年代の男性ならびに中高年以降の女性において肥満者が年々増加している.
「KEY WORD」交感神経活性,肥満,脳,高血圧,食塩
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。