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特集 栄養管理における微量元素

重症疾患と微量元素

Trace elements in critical illness

藤崎宣友小谷穣治

栄養-評価と治療 Vol.31 No.3, 49-51, 2014

「SUMMARY」重症疾患患者は強い侵襲により代謝亢進と酸化ストレスにさらされ, 微量元素を含む抗酸化物質の必要量が増大している. しかし, セレンを含む微量元素の補充に関し, 明確な投与量, 投与方法, 投与期間の設定はいまだ確立されていない. 現場の医師は患者ごとに状況を判断し, 治療経過中は欠乏症状が出現しないよう過不足なく補充する努力が必要となる.
「I はじめに」重症疾患患者は, 原疾患にかかわらず強い侵襲に暴露されている. 治療に難渋すると治療期間が延長するうえに, 不適切な栄養管理が感染性合併症の増加, 免疫機能低下, 筋力低下, 創傷治癒遅延, 臓器障害などを誘発し, 死亡率上昇というかたちで患者に不利益をきたす. 最終的な予後に寄与するのかは議論のあるところだが, 適切に栄養を供給することは治療において不可欠である.
「II 炎症時の生体反応」生体が全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)を呈する時期には, 炎症性サイトカインが過剰に供給され, 細胞内で活性酸素種の産生が増大する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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