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特集 栄養管理における微量元素

長期TPN管理における微量元素の欠乏

Trace elements deficiency in long-term TPN

小川英伸

栄養-評価と治療 Vol.31 No.3, 40-43, 2014

「SUMMARY」TPNが長期に及ぶ場合は微量元素欠乏症を予防する対策が不可欠である. 市販されている微量元素製剤を適切に使用していれば, 鉄, 亜鉛, 銅, マンガン, ヨウ素の欠乏症はほとんど生じないと考えられるが, 微量元素製剤が併用されず銅欠乏をきたした報告例は少なくない. それ以外の微量元素で欠乏症が問題となるのはセレンであり, 適切な補充と定期的なモニタリングが必要である.
「I はじめに」一般的に必須微量元素とは, 鉄, 亜鉛, 銅, ヨウ素, マンガン, セレン, モリブデン, クロム, コバルトの9種類を指す. 完全静脈栄養(total parenteral nutrition;TPN)中にはこれら必須微量元素の欠乏を予防する必要があり, 欧州で市販されている微量元素製剤には上述の9種類に加えてフッ素が1), 北米の製剤には亜鉛, 銅, マンガン, セレン, クロム1), わが国の製剤には鉄, 亜鉛, 銅, ヨウ素, マンガンが含まれている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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