特集 高齢者の栄養管理
高齢者の栄養管理における嚥下障害の重要性
Management of dysphagia is important for nutirtion support for elderly adult
栄養-評価と治療 Vol.30 No.3, 43-45, 2013
「SUMMARY」摂食・嚥下機能は食物運搬機能とともに咽頭異物排除機能をあわせもち, 食物を飲み下して気道を防護する. この嚥下機能は加齢により変化する. また, 高齢者では嚥下障害をきたす脳血管障害や神経筋疾患を合併することが多い. 嚥下障害により脱水や低栄養をきたして免疫機能が低下し, 気道防護機構が破綻して呼吸器感染症の罹患率が上昇する. 高齢者の栄養を管理するうえで, 嚥下障害は重要な問題である. 「I はじめに」高齢者では栄養障害が起こりやすく, 低栄養およびサルコペニアを誘発して生命予後に関わることがある1). 摂食・嚥下障害は低栄養をきたす原因となり, 高齢者では摂食・嚥下機能が低下するとともに, 嚥下障害をきたしやすい脳血管障害などの発症率が上昇する. 嚥下障害を評価して対応したうえで適切な栄養管理を行うと, 呼吸器感染症などの合併症が減少して予後が改善することがある.
「KEY WORDS」嚥下障害,高齢者,栄養管理,誤嚥,呼吸器感染症
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。